白雲に 羽うちかはし 飛ぶ雁の
数さへ見ゆる 秋の夜の月
(詠み人知らず)
「侘び」とはどのようなことをいうのでしょうか?
今夜の月をご覧になってください。
その時あなたの心に感じたものが
「侘び」というものではないでしょうか。
(茶の湯者と門人の会話)
そこかしこに、季節の移ろいを感じて、
夕暮れが早くなると、
お月さんは何処に出てるかな、
今日はどんな形かなと、
探してしまいます。
日本人は月の満ち欠け、
草木のたたずまい、
虫の音や鳥の声などに
精妙な時の移ろいを読み取り、
あたらしい時の兆しを
感じて暮らしてきました。
きものは形が同じであるため、
素材や重ねを工夫し気配の変化に鋭敏に
その時期に快適であるよう選ばれてきました。
例えば紬のきもの。
大島紬や八丈紬のさらりとした地風は
軽やかでどこか清涼感を感じる素材。
一方、結城紬や久米島紬の
ほっこりとした真綿糸の地風は
寒く冷たい気候では身を守ってくれる
安心感すら感じられます。
こうした素材の違いに加えて、
お召しになられる方の心持にあわせて
ちょっとした季節の色やアイテムを
身に着けて忍ばせる楽しさは
きものならではです。
袖の振りや袖口、
裾からちらっと見え隠れする長襦袢に
そんな「気配」を取り入れてみる。
気付いて下さる方がいると
それもまた楽しい瞬間です。
きものをお召しになられて、
今年は少し特別なお月見を
楽しんでご覧になられてはいかがでしょうか。
月の放つ光はそれを愛でて眺める私たちを、
優しく包んでくれるような心地がします。
また、スタッフの健康管理
(検温、マスク着用、手洗い、消毒)を
徹底して、
いつもよりお客様との距離を空けること、
換気につとめること、などにも配慮し
心を込めてご要望に
お応え出来るよう精一杯務めます。
『お客様、従業員の安全、安心の確保』
のため、できうる限りの努力
したいと思います。
お客様におかれましてもお気づきの点など、
ご意見賜りたく切にお願い申し上げます。
また、お越しくださる前にお電話を、
いただけましたら大変助かります。
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